羽子板は室町時代に中国から伝わって来たという説があり、その後、女の子の正月の遊びとして定着するようになりました。
又、羽根突きに使う羽根の形が害虫を食べるトンボに似ているところから、様々な邪気をはね(羽根)のけて、健やかに育つようにとの願いが込められた、女の子のお守りとして親しまれるようになりました。
現在のように、装飾品として扱われるようになったのは、江戸時代の後半に歌舞伎舞踊を題材にした押絵羽子板が作られるようになってからです。
今日では、その羽子板を華やかな飾りのガラスケースに収めて、女の子の初正月に飾るようになりました。
白拍子の花子が道成寺の鐘供養の為に釣鐘の前で舞います。始めは金冠をかぶり中啓をもって、あとは竿を持ったり、鼓を打つなどして舞います。 |
都に帰っていった在原行平を思い慕う海女の松風。海の水を汲む桶を肩にかけて踊ります。 |
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一面に咲き誇る藤の花、その精かと思われるような美しい娘が、藤の小枝をかざしながら姿をあらわします。やがて恋心のさまざまを踊り続けます。 |
浅妻の里の舟女をモデルにした江戸時代の画像、英一蝶の絵を舞踏化したものです。月夜の海に浮かぶ舟の中で鼓を打ちながら美しい白拍子姿で舞います。 |
押絵羽子板の絵柄は歌舞伎舞踊の名場面を押絵にしたというだけでなく、絵柄自体に江戸っ子独自の思い入れとユーモアを含む意味を持たせています。
現在、女の子の初節句のお祝いとして作られている代表的な絵柄は、藤娘・道成寺・汐汲・浅妻があります。